前田茂則さんとの思い出
先月、引っ越しをしました。実に13年ぶりの家移りです。
13年も経つと、頭も身体も引っ越しというものを忘れています。ずっと使っていなかった筋肉をむりやり動かすように、鈍い動きしかできなくなっていました。
いつのまにか、年齢と荷物がずいぶん増え、反比例して、体力は減っている。自分の人生がもう後半戦に入っていることを、改めて自覚する機会となりました。
先日、前田茂則さんの訃報に触れました。
前田茂則さんは、GNJを立ち上げたメンバーの一人で、2020年に退会されるまで、長くGNJのスタッフを務められました。
ポーラ・バトム博士が来日するきっかけを作ってくださったと聞いています。(ポーラ・バトム博士は、ゲシュタルト療法の創始者フリッツ・パールズの直弟子。GNJはもともとポーラ・バトム博士に直接学んだ方々が立ち上げたグループです。)
前田さんと私は、一緒にお酒を飲む機会に大変恵まれて、そこでいろいろなお話をしました。
いつぞや、初めてポーラに出会ったときの話をお聞きしたことがあります。
そのとき前田さんは、ポーラと夢のワークをしたということでした。
40代、これから人生後半をどう生きるか、というワークになったのだそうです。
もしかしたら、ちょうど今の私くらいの年齢のときだったでしょうか。
そのときの前田さんとポーラとの出会いが、後のポーラの来日につながり、今GNJに携わっている私にも、つながっています。
ひるがえって、私が初めて前田さんとワークをしたときのことを思い出してみます。もう15年近く前のことです。
当時、私は30代の初めで、大学時代の過ごし方を悔やむワークをしていました。
前田さんは私に「そうやって後悔していて、あなたの人生に、何か役に立ちますか?」と問いかけました。
そのときは戸惑ったことを覚えています。
今それを思い出して、もし今の自分が当時の自分を見たら、何と声をかけるかはともかく、もったいない気がするのではないかという考えがよぎりました。毎日、生きているだけで手持ちの時間が減っていくのに、貴重な30代、後悔する時間がもったいなく見えるのではないかと思うのです。そして今、人生後半とはいえ40代。これから何に時間を使っていきたいのか?この先に何かがつながっていくような活動をしていけるのか?そんな自問自答が浮上してきて、少し気合いが入る感覚がしています。
15年も前のワークが、今の自分に気づきをくれたようです。
前田さんからの言葉が、自分の中で生きていることを感じました。
まとまりのない文になりましたが、改めて、前田茂則さんに感謝し、ご冥福をお祈りいたします。