ゲシュタルト療法をファシリテートする、心理療法の専門家「ファシリテーター」がワークショップの雰囲気やセッションの内容などに触れるブログを紹介しています

GNJファシリテーターブログ

ファシリテーター:岡本 太郎

岡本 太郎

文教大学大学院 臨床心理学専攻修士課程修了。臨床心理士、公認心理師。 精神科・心療内科クリニックの心理士、公立小中学校スクールカウンセラーなどを中心に心理臨床の現場で活動。

プロフィールをもっと詳しく見る

ある日のこと

2024年6月29日 18:09

最近、気持ちが上がらない。内にこもるというか、あまり頑張りがきかない。
気持ちを外に出すより、後ろ向きな方向に思考や気分が沈んでしまう。
遅い5月病のような感じもするし、自分の中のある種のリズムのようにも感じる。
こういう状態は苦しい。でも、意味があるのだと思う。
ゲシュタルトがコンタクトと引きこもりのリズムを大切にするように、自己に触れる時間を味わっている。

今日は午前中~昼間に事務仕事を終え、夕方は散歩に出た。
しとしと降る雨が涼しくてちょうどいいなと思いながら、お気に入りの川沿いのコースを歩く。
思った以上に歩きたい意欲が強いことに気づき、予定したコースを少し越えて、その奥の神社の近くまで進む。
しかし神社の少し手前で、足取りが少し重くなる。
これ以上進んだら、帰りがめんどくさい。夕食も遅くなる。明日も仕事だ。
だいぶ歩いたし、もう充分楽しんだなと思い、踵を返して自宅へと戻る。

しばらく歩くと、自然と足が止まる。
空が晴れてきたなとぼんやり眺めたり、名残惜しむように周りの風景を見渡している。
ああ、やっぱ神社まで行きたいんじゃね。
もう時間とかいいや、行きたいところまで行って満喫しつくそう。
そう思うと、飛び跳ねる心地で神社へ向かい直した。
神社はほとんど人がおらず、静かに歩けた。
長い参道を通り抜け、参拝まで無事達成。
でも一番良かったのは、参道を包む森のやさしさと、緑のにおいだった。
やっぱりここまで来てよかった、と思った。

つい後先を考えすぎて、目の前のことに没頭できないことが多い。
好きなこと、表現したいこと、もっとやり切りたいとどこかで求めているのに、理由を探してストップをかけてしまう。
そのほうが安全だからだろうか。“やるべきことがある”と、自分を律して何かに向かわせる、焦りのような気持ちもある。
だからか、些細ではあるが、時々こうして自分の理性のようなものを放り投げたくなる。
ふと、最近思い切り遊べていないなと思った。後先考えないくらい、おもいっきり。

そういえば、昨日は久しぶりに、言い合いのような瞬間に出くわした。
お互いが自分の思いを譲らずぶつかりながら、それぞれの個性がくっきりとあらわれた。
そして、何度も行き違いながらも、コンタクトが生まれて、自然と二人で着地していった。
そのさまをみて、はらはらしながらも清々しかった。
そんな流れからの今日。

あんまり後先考えんな、おもいっきりやれ。
いろいろと考えてたけど、最近のウツウツを抜け出すヒントは、そこかもしれない。