プーチンの世界:神経症のメカニズム
今は5つの【コンダクトバウンダリーの障害】と訂正されている。健康な人々の中にもある原理であるからだ。しかし、パールズが最初は【神経症のメカニズム】と表現していた。
この個人の精神の原理は国家や民族、人種などのレベルにも当てはめられるとイギリスのマルコム・パーレット博士は語った。彼はそれを研究していると言ったが、まさに今のプーチンにこの「神経症である」という表現が適切だ。
1.無境界 confluence
人と人の間に境界線がない状態。プーチンはまさにロシアとウクライナの国境を無境界にしている。
2.鵜呑み introjection
親の価値観や国家の価値観、文化の価値観を鵜呑みして信じている状態。自分たちの価値観は正しい、ウクライナを支配下に置く必要がある、なぜならばロシアの領土であるべきだからという価値観。
3.投影 projection
自分の気持ちを投影していることに気がついていない状態。プーチンはウクライナをロシアの領土にしたいという本心を認めていないので、このままだと相手が攻めてくると思ってしまう心理状態にある。
4.反転行為 retroflection
怒りを抑え込むと自分自身を攻撃してしまう。
ロシアは独裁国家になっているので国民は怒りを抑え込む。その抑え込んだ怒りのはけ口に侵略を使っている。
5.話題転換 deflection
まさにウクライナの4州は合併したのだからウクライナが我が国ロシアを侵略しようとしていると論理をすり替えているのである。
日本に招待したイギリスのパーレット博士は、ゲシュタルト療法の原則を、これは政治的、国家的な行為にも当てはまると言った。プーチン自身に起きていることはロシア国家に起きていることになる。
先日肺がんで亡くなったレズニック博士は、この5つの原則の最初は「鵜呑み」であると述べた。
ロシア国民に、プーチンは「ウクライナのナチスがロシアを攻めてこようとしている」と侵攻の理由を説明した。ロシア国民は彼の言葉を鵜呑みにした。一つの情報しか流さない国家の宣伝を丸呑みするしかないからだ。
それは同時に、侵略ではなくウクライナはロシアの領土であるという話題転換でもある。
反転行為とは、怒りを抑え込むと自分自身を傷つけてしまうことであるが、健康的な様々な視点や情報を閉じ込めてしまうと、国家もまた自分自身を傷つけてしまう。
つまり国民が戦争に駆り出されたり、反対意見のある国民を投獄、処罰、暗殺しはじめるのだ。それを国民が良しとする態度は、自分たちを恐怖という方法で傷つけ合うことになる。
何だか日本が満州国を造ったり、朝鮮は日本のものだと言った第二次大戦の軍国主義を思い出させる。