原発事故の森の調査を知って
2022年1月16日 17:14
昨年だったと思うが、
福島原発事故による立ち入り禁止区域に関する調査の話を読んだ。
被爆の森と呼ぶそうでNHKドキュメンタリーにもなっている。
田畑には植物が生い茂り、人家にも及ぶ。
人家のある区域はイノシシやアライグマなどが闊歩し、人を恐れないという。
雀やツバメといった人家の近くに住む鳥たちの姿が消え
これまで観察されなかった野鳥の姿がみられるようになったそうだ。
松の木では幹が伸びず、背丈が低いまま枝葉が放射状に伸びる異常が観察されている。
野生動物の繁殖増大は人間の生活にとって危険域にまで達する勢いで
早急な駆除が課題になってもいる。
動植物や土壌について研究者によるさまざまな調査研究が続けられている。
こうした調査研究のいくつかは被爆が人体に及ぼす影響の解明にもつながるだろう。
つくづく感じたのは自然の旺盛な再生力だ。
生命の営みの力強さ。
本来人間はこの自然の一部であるはずなのに
今や自然を対象物としてしか考えなくなってしまった。
循環する力強い生命の営みのバランスが壊れてしまった。
被爆の森の調査活動について読みながら
人間の陥っている考え方、当たり前になって疑いもしない考え方に問いが生まれる。
いつでも見えているのは、せいぜいいくつかの側面に過ぎないことを思う。