ゲシュタルト療法をファシリテートする、心理療法の専門家「ファシリテーター」がワークショップの雰囲気やセッションの内容などに触れるブログを紹介しています

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ファシリテーター:渡辺 トヨ子

渡辺 トヨ子

1937年栃木県に生まれ、最高裁判所診療所の看護師として39年在籍、定年退職。 1986年パールズの愛弟子であるポーラに出会い、逝去されるまでの15年間、ゲシュタルト療法を学ぶ。 2020年SEP取得(トラウマ療法プラクテショナー)。

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座禅体験(二)

2023年10月16日 18:50

※前回【座禅体験】はこちら。

僧侶が申すには
座禅の目的は「心を定めること」です。
怒りや、妄想、欲望に支配されず、無駄な考えをめぐらさなければありのままの自分を肯定できます。いわば心をすっきり洗って、今この瞬間を満たされて生きるための「心の基本形」を確立することが目的です。
「心の基本形」とは、今の自分が何をしているか、何を感じているか、心と体の状態にはっきりと気づいていることです。
座禅の基本には3つの要素があります。
1 気づき=今何をしているか、何が起きているかにありのままに気づいている状態
2 集中=一点に意識を向けている状態
3 継続=気づきと集中を続けている状態

歩く禅
まずは、僧侶の丁寧な導きに従い足を動かします。
素足で床に立ち足の裏を感じながら右足を前後に動かす、次いで左足を前後に動かす。右足、左足、右、左、右、左と繰り返す。
次は右足に体重を乗せる。左足に体重を乗せる。右足、左足、右、左、右、左と繰り返す。次は歩いてみましょう。
右足を前に左足を前に右、左、右、左、右、左~ゆっくり、ゆっくり歩きます。

次は三つの言葉を唱和しながら歩きます。
一歩の動作に三つの言葉を載せます。「右足を上げる、運ぶ、下ろす」「左足を上げる、運ぶ、下ろす」「上げる運ぶ下ろす、上げる運ぶ下ろす、上げる運ぶ下ろす」を心の中で呪文のように唱えながらゆっくり歩きます。気づけば足の裏は汗にまみれ、床に足が吸い付く感じです。
次は7つの言葉を唱和しながら歩きます。
一歩の動作に「上げる、離す、運ぶ、下ろす、つける、移す、乗る」の7つの言葉を載せて一歩、一歩、進みます。
「あげるはなすはこぶおろすつけるうつすのる、あげるはなすはこぶおろすつけるうつすのる」を心で唱えながら歩くのは至難の業です。言葉は詰まり体はバランスを崩し幾たびもふらつきます。
僧侶は申します。「足裏の微妙な感覚に気づき、全身は軽くなります。楽しくて気持ちよくて止めたくない、どこまでも歩き続けたくなります」

つづく→【座禅体験(三)】