ゲシュタルト療法をファシリテートする、心理療法の専門家「ファシリテーター」がワークショップの雰囲気やセッションの内容などに触れるブログを紹介しています

GNJファシリテーターブログ

ファシリテーター:渡辺 トヨ子

渡辺 トヨ子

1937年栃木県に生まれ、最高裁判所診療所の看護師として39年在籍、定年退職。 1986年パールズの愛弟子であるポーラに出会い、逝去されるまでの15年間、ゲシュタルト療法を学ぶ。 2020年SEP取得(トラウマ療法プラクテショナー)。

プロフィールをもっと詳しく見る

座禅体験(八)

NEW 2025年9月30日 20:42

※前回【座禅体験(七)】はこちら。

菩提樹

やがて沙門釈尊の体力は回復した。尼蓮華河を渡り、ブッターガヤーの菩提樹の下で結跏趺坐した。それから7日間、沙門釈尊は座禅をつづけた。欲望の火が消え去り、執着がなくなり、迷いを脱した。東の空に曙光の差し込めるころ、彼に浄らかな天眼が生じた。あらゆるものを、そのあるがままに見、あるがままに捉えることのできる天眼である。彼は「仏陀」になったのである。悟りを開いた「仏陀」―釈迦牟尼世尊、すなわち釈尊である。そのとき、35歳であった。29歳の時、故郷の釈迦国を捨てて出家された釈尊は、それから六年ののち、悟りを開いて仏陀になったのである。

そののち釈尊の生命の火が消える八十歳まで説法を続けられた。

釈尊の根本の教えは「縁起」である。
「縁起」というのは、この世の中に存在する一切の事物が、さまざまな条件(直接原因と間接原因)によって仮にそのように成立している。といったことを教えたものである。したがって、条件次第で、事物はさまざまに変化する。例えば、二メートルの棒は一メートルの棒に対しては長い。しかし、三メートルの棒に対しては短い。何と比較するかといった状態で、棒は長くなったり短くなったりする。絶対的に長い棒は存在しないのである。

下記の写真はネパールで私が撮った。27年前のことである。摩耶夫人の右脇を破って、後の釈尊が生まれたという伝説のレプリカを訪ねていた。生まれてすぐ「天上天下唯我独尊」と宣言したという。私はこのときゴーダマブッタに出会っていたかもしれない。

つづく