万次の石仏
万次の石仏を是非見たいという友人に誘われ長野県下諏訪駅に集合、女性3人で散策をしながら石仏を目指しました。
石仏は周囲を田んぼに囲まれ、正面は砥川の清らかな流れ、付近一帯は諏訪大社下社春宮のすがすがしい緑の森です。
万次の石仏は、それは、それは巨体であるのですが、なぜかポツンと鎮座しその姿はひっそりと静寂に包まれています。
出会った瞬間、どこかで出会っていたような懐かしさと暖かさを感じました。
顔の中心にある大きな三角形の鼻が、なんともユーモラスで親しみを感じさせます。眺める角度によっては、いろいろな表情をかもし出します。
万次の誕生の由来は、明暦3年(1657年)諏訪高島三代藩主が、諏訪大社下社春宮に遺石の大鳥居を奉納しようとしたときのこと、命を受けた石工がこの地にあった大きな石を用いようとノミを打ち入れたおり、はからずもその石から血が流れ出た。驚き恐れた石工は大鳥居の造作を止め、改めてこの不思議な石に阿弥陀様を刻み、霊を納めながら建立されたということです。
ある時、万次の石仏に感動された画家の岡本太郎、作家の新田次郎らにより紹介されて一躍有名になりました。
石仏のいわれを秘めて秋の月 新田次郎
峡の田に座して石仏のどかなり 岡本太郎
岡本太郎は絶賛しています。
万次の石仏は世界に例のない神聖な石であり、永遠の人生を象徴する石である。世界中歩いてみたがこんな面白いのは初めて。
奈良の秘仏より万次の石仏を見ていると心が豊かになる。カッコ良さより内面が問題だ。
石自体が神聖だ。毛先で形を造った現代の神体よりはるかに。
諏訪にきて「石」の神聖さを発見した。